本を読んだ

9巻から読んでも面白い「彷徨える艦隊9 戦艦ガーディアン」を読んだ

最近図書館によく行くのですが、借りてきていた本で今日返しにいけなかった本が一冊あります。返却期限は来週なのでまだ余裕はあるのですが、続きが早く読みたいのですよね。

その本がこちら、「彷徨える艦隊9 戦艦ガーディアン」です。

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所謂ミリタリーSF物の小説なのですが、図書館にはなぜか1巻から8巻は置いていなかったのですよね。蔵書にはあるかもしれませんが、少なくとも棚の方にはなさそうでした。

前々から気になってはいたのですが、まだそこまで読もうという気にはなれていませんでした。

理由の一つとしては9巻というそれなりに進んだナンバリングで途中から読むということにちょっとハードルがあったことが挙げられます。

大体のシリーズは9巻まで続きませんし、そこまで続くような大長編なら話も入り組んでそうでちょっと取り掛かるのによいしょが要ります。

また、この本の表紙を捲ってすぐのところにはなんと、この「彷徨える艦隊」の主人公たちが所属する艦隊の船の名前が属する艦隊ごとに羅列されているのです。

「第一艦隊 <○○> <△△><××><□□>」みたいな感じで。

この世界では戦艦は4隻で1個艦隊みたいで、綺麗に4隻ずつ1グループで羅列されています。

しかも、ところどころには

「<□□>(○○星系で失う)」と書かれた船もあります。

これまでの戦いで沈んだのか・・・まあ9巻まで戦っていれば艦隊で沈んだ船も当然いることでしょう。

でも、その流れを知らないのでどこそこで沈んだと言われても話についていけないのですよね。

そういった過去の積み重ねの重さを感じておなか一杯になってしまったのもこれまで読み始められなかった理由の一つです。

でも、今回はその中で「ちょっと本文の頭だけでも読んでみるか」という気分になって読み始めてみたのですが、すると案外面白かったのですよね。

話の内容は先述したとおりミリタリーSFもので、主人公は艦隊司令官で艦隊を率いて属する軍の任務であっちこっちに冒険に出かけます。

旗艦の艦長は女性なのですがいつの間にかこの司令官と結婚していたらしく、軍の仲間というだけでなくプライベートの関係もあるようです。

基本この二人の視点を中心に話が展開していくのですが、登場人物がみんなしてウィットとユーモアに富んだ喋り方をします。

こういう雰囲気のミリタリーSFが前々から好きで、似たようなものとして「Halo」のノベライズであったり「老人と宇宙」シリーズが合ってこれらも大好きです。

それと似たような雰囲気の作品であったのが今回自分が読み始めて面白く感じられた理由なのかなと思います。

今作の中で特に面白かったのは、道中で敵軍がしかけてくる罠を悉く看破する仲間がいることです。

この巻のお話は主人公の艦隊がどこかの未探査宙域まで冒険に駆り出されて、そこから味方の宙域まで戻るその過程のものなのですが、道中で敵軍があの手この手で邪魔をしてきます。

元々そういった工作をよくやる敵なのですが、自軍の艦隊の中にやけに頭の切れる人物がいて、その人に「きみが敵軍ならこの状態でどんな罠を仕掛ける?」と聞くとその人のアイデアを答えてくれるのですよね。

で、それは本当なのかと思って調べてみると本当にそんな罠がありました、みたいな展開が何度かあります。

例えば・・・

「ワープに使うゲートの前には爆雷を仕掛けると思います」→ゲートの前に爆雷がありました

「捕虜を餌にして救助しようとして収容所がある惑星に近づいたところで惑星を爆発させて巻き込んでくると思います」→惑星に爆破の仕組みが発見される

みたいな形で、ピンポイントで敵が張っている罠を看破してしまうのです。

なんで分かるのですかね。

こういったエピソードがそれぞれの宙域でのお話として区切りよく進んでいくのも読みやすかった点かもしれません。艦隊に降りかかってきた問題を乗り越えてひと段落付くとその前のお話をそこまで引きずらずにまた艦隊に別の問題が降りかかってくる、そんな話の進み方をします。

それが何だか心地よく読み進められて、ハマったのかなと思います。

あらすじによると、1~6巻では主人公がコールドスリープから目覚めて敵軍の宙域の真っただ中で「彷徨っていた」艦隊を率いて最初の冒険を成し遂げるまでのお話で、7~9巻ではその後また別の冒険に出かけて帰るまでのお話のようです。

そう聞くと過去のお話も気になってきました。またどこかで買って読んでみましょうね。