本を読んだ

エスノグラフィーを通して隣の世界を見る「ヤンキーと地元」を読んだ

のえみはエスノグラフィーに関する本が好きなようです。

とはいっても他に読んだことがあるのはスディール・ヴェンカテッシュの「社会学者がニューヨークの地下経済に潜入してみた」という本くらいなのですが。

エスノグラフィーというのは特定の地域や人々、社会について調べる際に対象となる地域や人々の中に入り込んで実地で観察をしたり話を聞いたりする調査手法です。

「ヤンキーと地元」という本もそんなエスノグラフィーを行った調査に関する一冊で、内容は著者の打越正行さんという方が沖縄で暴走族やヤンキーについて調査を行った時のお話です。

エスノグラフィーものの面白いところは、著者の方が調査対象とする人々に受け入れられて話を聞くことができるようになるまでの過程やその方法についてです。

調査対象とする人々にはおいそれと人に言えないような部分を持っている人もいます。

非合法のことをしている人にどんなことをしているかたずねても普通は答えてもらえません。警察か何かと思われるのがオチです。

そう思われかねない相手から信頼を得て、どんなことをしているのか、それはなぜかといった話を聞くことができるようになるということには少しあこがれもします。

少なくとも自分には無理です。

そういったことを調べて、書籍になって、こうして外部の人々が読むことができているというのが、エスノグラフィーの大きな意味なのかなと思います。

「ヤンキーと地元」で舞台になっているのは沖縄、「ゴーパチ」と呼ばれる国道で2000年代後半にバイクで暴走していた人々が話の中心になっています。

国道で夜な夜な暴走している人がそれ以外の時何をやっているのか、どのように生活しているのか、これまでどのように生きてきたのか・・・

そういった内容を肯定的にも否定的でもないフラットな表現で書かれています。

もちろんやっていることは暴走、暴力、ギャンブルなどまず肯定的にはとらえられないものが多いのですが、なにはともあれそういったものが存在する中で生きている、ということが伝わってきます。

どんなにしんどいものがあっても、あってはならないと思うことがあっても、そういったものはなくならないし逃れられないわけで。

付き合いながら生きているほかの人々の話を聞くとちょっと元気が出るという部分もあります。

場所は書籍によってバラバラですが、エスノグラフィーにはそういう魅力があります。

他にもいろいろ探してみたいです。