「論語」は古い中国のどこぞの立派だった方々の言行録で、現代ではそこで解かれていることについては賛否両論あります。
それはともかく自分でも一度は読んでおきたいと思って読み始め・・・
一通り読み終わったので再度記事にしてみます。
時代が変わると刺さる言葉が変わる
でも、こういう文書は読む時代が変われば刺さる言葉も変わるようで。
有名とされる言葉はいくつかありますが、実際に読んでみるとそれ以外の言葉が案外刺さったりします。
たぶん、時代が変わればその時代における関心や問題意識も変わるからじゃないですかね。
いつぞや読んだ「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」でも、時代が変われば労働に対する意識だのそこで重要とされる概念だのが変わってきているという話が出てきます。
それによって読む本やそもそも読むかどうかすらも変わってきている、というお話ですね。
それと同様に、時代を経れば同じものを読んでも刺さる部分って変わってくるのだろうなーという気もしています。
それこそその時代によって問題とされることだの関心だのというのは変わってきます。
書物というのはそれに対する答えを求めて読む側面が多分にあります。
そうすると、時代によって問いが変われば書物から得られる答えも変わるというのはありそうに思います。
なので、古い有名な書物は今読んでも新しく得るものがあるのでは?と思って読み始めたところがあります。
個人的に刺さった言葉3選
老先生の教え。四十にもなって人に憎まれるようでは、もう終わっておるわ。
老子も人について「終わってる」とか言うんだなぁ・・・とか妙に感心しました。
ニュアンスは違っているでしょうが。
漢文でも「其終也」とあるのですが、漢文の知識を覚えていないので当時の「終」にどんなニュアンスがあったか覚えていません。
・・・軽く調べてみた限りだと「人生の終わり」みたいなニュアンスがあるようなので本当に「終わってる」の意味なのかもしれません。
追加で言葉を補うとすれば「(人生が)終わっている」みたいなところなのかなぁとか考えていました。
老先生の教え。世の多くの人が悪く言うときも、善くいうときも、(すぐ信じずに)必ずそのそこまで見通すことだ。(単純に信ずるな。)
時代が十周か二十周くらい回って重要になってきたような気がします。
今や再び言論の盛んな時代、その中では周りと違う意見を言う自由はありますがその結果に対する責任もあります。
つまり下手なことを言うとえらく叩かれる時代です。
まあいつの時代もそうでしょうが。
人が悪く言うときも善く言うときも同調しないとやっていけませんが、だからと言ってその通りに信じるべきではないように思います。
本当に言っていることが正しいのか、未来でも正しいと言われ続けることなのか、それとも直近の出来事に対して吹き上がって生まれた正しさなのかはそういう同調圧力がある以上周りの人を信じられません。個々人で見極める必要があります。
そういう情報リテラシーの根源みたいな言葉に感じました。
孔先生の教え。教養人は、その一生において、なにもしなかった人とされることを恥じる。
これについては自分は全く逆の考えを持っているので逆方向に刺さりました。
自分は教養がある人間であるかはともかく、その一生において何かをした人と思われたり、あるいはそんな人として記憶されたくない気がします。
先にエルリックサーガを読んでいたからそんな気分になっているのかもしれませんが、何かをなしたと思われたくないように思います。
だって、自分のやってきたことを振り返ったら失敗とか、すごく恥ずべきこともしてきたわけじゃないですか。
どれだけ偉大なことをしても、そういうエピソードを掘り返されて将来のどこかで急に評価が変わってそれまで善く言われてきたことが悪かったことのように言われたりするのって考えただけですごく癪です。
論語それ自体についてもそうですし、別の歴史に名を遺す偉人達も善かっただの悪かっただの、時代と場所によって言いたい放題です。
前の言葉とも被りますが、そういうことで人物評の常識が生まれて、お前もこう考えろ、でないと・・・と脅すネタになりがちです。
結局そういうことは個々人の中で評価を下すべきですしそのことについてとやかく言われるのも癪です、そして将来的に自分が何かをした人として名を残したとしてそれを同調圧力のダシにされたくないです。
そういいながら現在進行形で自分もやっているのですが。
そういう意味で自分としては「何もしなかった人」と評されることは特に恥じないなぁと思いました。
おわりに
そんなことを考えながらここしばらく「論語」を読んでいました。
孔子や老子といった人物の言行録で、今読むと1/3くらい共感できることと1/3くらい共感できないことと1/3くらいの「知らんがな」と言いたくなるようなエピソード(当時の各種マナーの良し悪しとか)が混じっています。
時代が変われば関心も問題も変わるのでそこから印象に残るエピソードも変わってきます。
人によっても変わってくるかと思います。
今から読んでみても、何か考えることがあるのではないでしょうか。