本を読んだ

「エッセンシャル版 ミンツバーグ マネジャー論」を読み返す

Kindleを漁っていたら以前電子書籍で購入した「エッセンシャル版 ミンツバーグ マネジャー論」が転がり出てきたので読んでいました。

のえみが初めてこの本を読んだのは確か新卒入社した1年目でした。

その時のマネジメント系のお仕事をしていた方にお勧めされて買ったのですよね。

「おすすめされたこの本買いました!」と言ったのですけど、「実はその本じゃないんだよね」と言われた思い出があります。

本当におすすめされた本は何なのかは分からずじまい、そんな本です。

初めて読んだ当時としては、マネジメントとはこんなお仕事なのかなーとかそういったことを想像する程度の解像度だったのですが、年月が経って自分もマネジメントに近いお仕事をするようになって見返してみると新たな発見があったので今日はそんなお話をします。

マネジメントとは一言で言うと「いまいましいことが次々と降りかかる」仕事

この本で述べられているマネジメントとは、という問いに対して文章中の言葉一文で答えるとするとこの一言に尽きます。

この本では様々なマネジメントのお仕事をする人々の多様性について重点的に触れている特徴があるのですが、それらをまとめるとこの一言に落ち着きます。

自分でも大量の仕事を抱えていながら、一方で他の誰かの応対が終わるとまたほかの誰かが厄介事を持ち込んできて、「これはどうすればいいですか」と聞いてきます。

それらに個別に答えながらも、自分では答えなくて済むように権限移譲を考えていく必要があります。

のえみはITエンジニアとしてお仕事をしているのでマネジメントのお仕事として一番近いのはいわゆる「プロジェクトマネジメント」というものなのですが、別にITの界隈に関わらずマネジメントのお仕事はあります。

それぞれの界隈によって特徴もありますが、一方でこういったところはどこの界隈でも起きそうな気はしますね。

ドラッカーのマネジャー論とは対照的

一方で、対照的にその方法論については、「個別の業界や組織によって異なるのだからまとめて同じ方法を教えたり使ったりすることはできないよね」という主張をしています。

本文でも語られているのですが、かの有名なドラッカーのマネジメントとは逆の立場をとっています。

曰く、ドラッカーのマネジャー論ではMBAのような場所で専門教育として教えられるマネジャー論を全ての組織に適用しようとしていて、それではうまくいかないのだそうで。

その理由というのが先にも挙げたような、実際の組織でのマネジメントのやり方や方法論というのは組織によって異なるため、ある程度は経験的に身に付ける部分もあるから、なのだそうです。

アート・クラフト・サイエンスの話

その考えの理屈として、本文の中では「アート・クラフト・サイエンス」の3つの要素について述べています。

これらはマネジメントを行う人々のスタイルで、アートは「洞察型」クラフトは「関与型」、サイエンスは「頭脳型」のマネジメントを行う特徴としてそれぞれ挙げています。

ドラッカーのマネジメントはこの中ではサイエンスに偏りすぎていて、アイデアやビジョンを重視するマネジメントのアートの側面、実際の業務に関与してより良い形を目指そうとするクラフトの側面が足りないというのがこの著者の主張です。

本文の後ろの方には29人のマネジャーの実例が書かれていますが、それぞれアート・クラフト・サイエンスのどの側面がより強いかは人によって異なります。

でも、そのうちのいずれか一つに偏り過ぎず、バランスよく、ただし実際の業務に合わせてその割合は変えながらで進めるのがマネジメントとしてバランスのいい仕事ぶりにする方法なのだそうです。

いろんな世界のマネジャーを見ながら

そんな様々な界隈のマネジャーを見ながら帰納法的にマネジャーのあるべき姿や方法論について述べたのがこの本という印象です。

のえみもITエンジニアとしてマネジメントに近い仕事ぶりになってきています。

常に誰かしらから厄介事が持ち込まれる立場になってきたので、久々に読むとなんだか共感できるような気がしました。

「いまいましいことが次々と降りかかる」というのが何だか生々しく、でも実際にそう言う仕事だなぁなんて感じています。

これからもしばらくはこの仕事を続けることになります、いろんなマネジャーの経験を見聞きしながら自分の仕事も進めていきたいですね。